DAIKONSHIMA BOTAN HISTORY
HISTORY
- 中国から伝来した牡丹
- ボタンはボタン科の落葉低木で中国西北部が原産地です。500年ごろ中国で成立した『神農本草経』(シンノウホンゾウキョウ)の中には薬草として記載されています。
日本に牡丹が渡来したのはいつごろか定かではありません。
『出雲国風土記』 (733 年に成立)には意宇(オウ)あたりの山野(現在の安来付近)の草木として牡丹のことが記されていますが、 現在の牡丹と同じものかははっきりわかりません。
清少納言の随筆「枕草子」に登場することから平安時代に遣唐使が中国から持ちかえったと推定されます。
その後、日本に広まり平安時代の後期には各地の寺院でも栽培されるようになりました。
- 大根島と牡丹
- 大根島に牡丹が伝わったのは江戸時代中期に大根島にある全隆寺の住職が遠州(静岡県)の秋葉山から薬用として
持ち帰り境内に植えたのが最初とされています。
- 行商から日本一の牡丹苗の生産地へ
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現在、大根島は量、質ともに全国一の牡丹苗の生産地です。
背負いかごに牡丹の苗木や鉢植えを入れて全国各地を行商に歩きました。
大根島は水田や農地が少なく養蚕と漁業以外に産業とよべるものはありませんでした。
昭和30年代から島の女性達は家族を養うために全国へ牡丹などの苗木を売り歩く行商に出かけます。
島の女性達は一軒一軒の家を訪ね歩きながら大根島の牡丹苗を全国津々浦々まで売り歩きました。
何ヶ月も家には帰れず定期的に移動した先の定宿に牡丹苗を送ってもらいながら行商を続けたそうです。
島の女性達によって美しい牡丹の花は全国にたくさんのファンを作り、大根島の名前は牡丹の
花とともに知られるようになりました。
行商によって大根島の牡丹苗の需要は増し、島では牡丹苗を年々増産していきます。
その結果、現在では年間で約80万本の牡丹苗が生産され海外輸出も盛んになりました。
ニーズに合わせた品種改良も盛んで500種類以上の多種多様な品種が栽培されています。
- 由志園と牡丹
- 由志園は牡丹の花を一年中楽しんで頂ける施設です。
牡丹苗生産地の強みを活かしながら季節ごとに様々な牡丹の美しさと魅力を伝えて行きます。
独自に農業生産法人を設立し牡丹苗の生産も行っているのは、生産から販売、流通までを自分達で行うことで牡丹について
より詳しく知る事ができると考えたからです。
また、牡丹の母木を多数保有し、品種改良にも積極的に取り組んでいます。
2018年よりオランダのプリバ社の環境制御技術を導入し、最先端の牡丹開花調整施設を建設しました。
環境を複合制御することが可能になり、牡丹品種の潜在能力をより引き出して行きます。
- 池泉牡丹GW期間限定
- GW期間には、園内の池に三万輪の牡丹が浮かべる「池泉牡丹」や歩道の両脇を牡丹で絨毯のように敷き詰めた「牡丹苑路」。
そして、GW最終日限定で「池泉牡丹」を黄色い色のボタンに全部変更した「イエローガーデンフェスティバル(黄金の池泉牡丹)」を行っています。
三万輪の牡丹が池泉に浮かぶ池泉牡丹
日本一の牡丹の産地だから実現できる一大イベントです。
大根島は日本一の牡丹苗の生産地。接ぎ木牡丹苗は現在、年間70万本ほどの生産が行われています。
牡丹苗のうち全体の約80パーセントは海外輸出用の花をつけない初年生株です。
また、国内販売用の株は株を太らせることが目的のため、開花前に蕾(つぼみ)を摘んでしまいます。つまり大根島の農家は牡丹の花ではなく苗を育てているのです。
しかし、牡丹の花がまったく咲かないという訳ではありません。由志園の農業生産法人では、周辺農家と協力し、母木(ぼぎ)を多数保有しています。母木とは接ぎ木に使う大株です。品種交配などの目的で数年に一度、開花させます。毎年、開花させる花数はゆうに数万輪を越えます。
その摘んでしまった牡丹を用いて由志園の池泉に三万輪の牡丹を浮かばせています。
百花の王と称された牡丹の花。副産物の花をふんだんに使える日本一の生産地ならではのイベントです。※本イベントは大根島牡丹栽培農家の皆様にご協力をいただいております。
この時期だけの牡丹で埋め尽くされた路 牡丹苑路
通常時には無い、この時期だけの特別な苑路です。
茶室、両脇の牡丹の路。牡丹を絨毯のように敷き詰めました。通常時には無い、この時期だけの特別な苑路です。
幸せをよぶ幻の黄金の池泉牡丹
ゴールデンウィーク最終日限定で全てが黄色に包まれる!?
由志園牡丹の季節の風物詩となった池泉牡丹がゴールデンウィーク最終日だけ黄金色に!?
貴重な黄色牡丹は色の特徴だけでなく芳香もまた素晴らしいです。黄色のラッキーカラーに包まれれば幸せを引き寄せられるかも!?
- 牡丹番付
- 大根島で毎年行われる牡丹祭りに合わせ、由志園のご来場者に人気投票をしていただき番付を決めています。
人気の牡丹品種が一目でわかります。
方之西/横綱黄 冠
方之東/横綱紅獅子
- 牡丹の通販サイトを運営
- 年間を通じた牡丹の通信販売を行っています。由志園の「牡丹の館」のような美しい花がご家庭でもごらんいただけます。
2020年夏、楽天市場にぼたん通販サイトを新規開設致しました。
大根島産出の品種
育種家/渡辺 三郎
[黄 冠]
「黄冠」は日本初の黄色い牡丹です。島の生産者、渡部三郎さんが2003年に品種登録をしました。
アメリカ品種「ハイヌーン」(黄)と「新扶桑」(白)を交配させて長年の試行錯誤から生み出しました。
海外の黄色品種の牡丹は日本の風土では育てにくく、また、花も小ぶりで横向きです。
それらにくらべ「黄冠」は巨大輪で受け咲き樹勢も強いのが特徴です。
大根島の牡丹を代表する人気品種です。
[花 王]
赤い色が濃い大輪品種です。樹勢がよく丈夫な性質で鉢植えで育てやすい品種です。
濃い赤色にわずかに紫がかった大輪と盛り上がり咲のゴージャスな姿が特徴です。
花びらが厚く何重にも重なり合う量感は牡丹の醍醐味を存分に味合わせてくれます。
鉢植えにも適しており樹勢がよく育てやすい品種です。
育種家/中村 正昭
古典品種
育種家/松本 康市
海外品種